2015年9月16日水曜日
顔が見えない女の子
ムーミンのお話の中に「目に見えない子」という話があります。
ニンニという小さな女の子が主人公のお話です。
ある日、谷の仲間がムーミン一家のもとに、ニンニという女の子を連れてきます。
ニンニは、おばさんに毎日「氷のようなひにく」をいわれ続けているうちに、
だんだん青ざめて、はしのほうから色あせて、ついには姿が見えなくなってしまった女の子でした。
全く見えないので、鈴をつけて、その音でどこにいるか分かるんです。
戸惑うムーミンパパをよそに、ママは落ち着いて、
「きっとこの子は、しばらくのあいだ、見えなくなっていたいと思ったのよ。
気分がはれるまで、そっとしといたほうがいいわ」といって、ニンニのためにベッドをこしらえ、枕元に
りんごやキャラメルを用意してやります。
ムーミン一家の温かい心遣いで、ニンニは少しずつ姿が見えるようになっていきます。
最初は小さな足の指、そしてか細い足、そして茶色い洋服が。
でも、顔だけは見えません。
最後にどうやって見えるようになっていくかは割愛するとして・・。
私はこの話を読んでいくうちに、とても悲しくなってしまいました。
たぶん、このお話には、私自身の足りない部分が見つかってしまう部分が大きいから。
傷つく事を恐れて全てが見えないように隠れてしまったニンニの中に。
逆に、ムーミンママのように、上手にすっぽり誰かを受け入れられないあまりに小さな自分に。
このお話の中には私が見えないようにしていた足りない部分がたくさん詰まっているような気がして、
たぶん少し悲しくなってしまったんだと思います。
でも、このお話は決して暗いお話ではありません。
ニンニは最後に戦う事を覚え、顔が見えるようになります。
そして、輝くような希望とともに、旅立っていくのです^^
ムーミンの中でも、一際深く、そして心に染み渡る作品、
ぜひ1度読んでみて下さいね^^
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